エックスサーバーの自動バックアップと復元方法

エックスサーバーでは、Web・メールとMySQLデータベースを1日1回、自動でバックアップしています。全プランの標準機能で、初期費用と月額費用は0円です。通常は過去14日分から取得または復元できます。

誤削除や更新失敗から戻すときは、サーバーパネルでWeb・メールとMySQLを別々に復元します。ただし復元は、選択した領域を指定した日の状態へ上書きする操作です。実行前に現在のデータを別の場所へ保存しないと、バックアップ日後の投稿やメールを失う可能性があります。

この記事では、2026年7月時点の公式情報をもとに、エックスサーバー固有のバックアップ対象、データ取得、復元操作、失敗時の戻し方を説明します。複数サービスのバックアップ方式を比較したい場合は、レンタルサーバーのバックアップ比較記事で確認してください。

目次

エックスサーバーの自動バックアップの基本

自動バックアップは、利用者が予約しなくてもサーバー側で毎日取得されます。保存される時刻は固定ではなく、処理速度や完了時刻はサーバー負荷などで変わります。

項目 2026年7月時点の内容
取得頻度 1日1回
Web・メール 通常は過去14日分
MySQL 過去14日分
自動バックアップ料金 0円
データ取得・復元料金 0円
Web・メール操作 自動バックアップの取得・復元
MySQL操作 MySQLバックアップ取得・復元

一部の旧サーバーでは、Web・メールの保持期間が7日間です。公式マニュアルでは、サーバー番号が所定の範囲より前の環境などが該当します。実際に復元できる日付は、契約中のサーバーパネルに表示される取得可能日で確認してください。

MySQLまで一律に7日と判断しないことも大切です。Web・メールとMySQLではメニューが分かれ、対象日もそれぞれ確認します。

自動保存されていても完全性は保証されない

公式情報では、自動バックアップデータの完全性は保証されないと案内されています。サーバー設備のメンテナンスや障害、処理負荷などにより、一時的に処理が停止する可能性もあります。

バックアップがあることと、希望する時点へ必ず戻せることは別の話です。重要な更新前には手動で保存し、PCや別ストレージへコピーします。EC、予約、会員サイトでは、1日分の差でも注文や会員情報へ影響するため、復元の計画を事前に作ってください。

バックアップ対象と対象外データ

WordPressは、Web領域のファイルとMySQLのデータを組み合わせて動きます。メールはWebとは別のメール領域にあります。

データ種別 主な内容 復元時の影響
Web領域 WordPress本体、画像、テーマ、プラグイン 指定日後のファイルが消える可能性
Web用設定ファイル 公開領域以外のWeb設定 複数設定へ影響する可能性
メール領域 サーバー上に残るメール 指定日後の送受信分に注意
MySQL 投稿、設定、ユーザーなど 指定日後の投稿や注文に注意

サーバー領域の復元で「対象を指定して復元」を選ぶと、ドメインやディレクトリ単位でWeb領域、Web用設定ファイル、メール領域を指定できます。何を戻すか分からないまま全領域を選ばないでください。

自動バックアップの対象外になるデータもあります。公式機能ページでは、WordPressのキャッシュディレクトリ、デバッグログ、サーバーID直下の一部メールディレクトリ、PHPセッションなどが例示されています。

MySQLでは、破損して処理できないDB、テーブル数が1,000を超えるDB、処理負荷が大きいDBなどが対象外になる場合があります。サーバーパネルのバックアップ状況と、実際に取得可能な日付を確認してください。

POP受信後に消えたメールは対象外

POPで受信した後にサーバーから削除したメールや、WEBメールで削除し、バックアップ実行時点でサーバーに存在しないメールは保存されません。端末にだけ残るメールは、端末側で別途バックアップします。

IMAPはサーバーと同期するため、復元後の状態が端末へ反映される可能性があります。メール領域を戻す前に、必要なメッセージをローカルフォルダや別メールボックスへ保存してください。

復元前に確認すること

復元は原因を直す操作ではなく、過去の状態へ戻す操作です。復元後に同じ更新や攻撃が再発すれば、再び壊れる可能性があります。

確認項目 実行前の作業
障害範囲 Web、DB、メールのどれが壊れたかを分ける
戻す日 問題が起きる前の日を決める
現在データ Web、DB、メールを別の場所へ保存する
動的データ 注文、会員、投稿、問い合わせの差分を確保する
空き容量 取得・復元に必要な容量があるか確認する
作業時間 更新担当者へ停止時間を共有する

事故が起きた時刻と、最後に正常だった時刻を記録します。自動バックアップは1日1回なので、選択できる日付の中から最も影響が少ないものを選びます。

現在の状態が壊れていても、復元前に可能な範囲で別の場所へ保存してください。

ここでいう「現在データの保存」は、自動バックアップデータを「取得」する操作とは別です。自動バックアップデータの取得は、すでにエックスサーバー側で保存されている過去のバックアップを利用者のサーバー領域へ用意する機能であり、復元直前の状態を新しくバックアップする機能ではありません。

復元直前のファイルやデータベース、必要なメールなどをPCや別の保存先へ退避しておけば、復元後に必要な画像、投稿、注文、ログ、メールなどを取り出せる可能性があります。保存する前に不要と思えるデータを削除せず、現在の状態を残してから復元へ進んでください。

Web・メールを自動バックアップから復元する手順

新しいサーバーパネルでは、次の順に進みます。

  1. サーバーパネルへログインする
  2. 「自動バックアップの取得・復元」をクリックする
  3. 「自動バックアップデータから復元」を選ぶ
  4. バックアップ日と復元方法を選ぶ
  5. 対象を指定する場合はドメインと領域を選ぶ
  6. 「実行する」をクリックする
  7. 注意事項を読み「注意事項を確認した上で実行する」をクリックする
  8. 「履歴」で復元完了を確認する

復元方法に「対象を指定して復元」がある場合は、影響する範囲を狭められます。WordPressの画像やテーマを戻すならWeb領域、サーバー上のメールを戻すならメール領域です。Web用の設定ファイルまで戻す必要があるかは、障害の内容から判断します。

復元すると対象ディレクトリとファイルはバックアップ内容で上書きされます。バックアップに存在しない、バックアップ日後に作成されたファイルやディレクトリは削除されます。

実行を取り消したい場合

最終実行前なら、確認画面で止めて対象日と領域を選び直します。実行後は単純な取り消しボタンで元に戻せると考えないでください。

実行前に保存した現在データがあれば、必要な差分を戻せます。保存していない場合は、別の日付のバックアップが残っているかを確認し、追加操作を重ねる前に公式サポートへ相談します。

復元が終わらない場合

データ量、ファイル数、サーバー負荷で時間が変わります。「履歴」の状態を確認し、同じ復元を重ねて実行しないでください。

長時間変化がない場合は、サーバーID、実行日時、対象日、対象領域、履歴の状態を記録してサポートへ伝えます。処理中は対象サイトの更新を止め、完了後に再開します。

MySQLを自動バックアップから復元する手順

WordPressの記事本文、固定ページ、ユーザー、設定の多くはMySQLに保存されます。Web領域の復元とは別に操作してください。

  1. サーバーパネルの「MySQLバックアップ取得・復元」をクリックする
  2. 復元するDBとバックアップ日を選ぶ
  3. 「バックアップ取得・復元」をクリックする
  4. 処理種別で「自動バックアップデータから復元」を選ぶ
  5. 対象DBと日付を再確認する
  6. 「実行する」をクリックする
  7. 復元状況を確認する

複数サイトがある場合は、似たDB名を選び間違えないよう注意してください。WordPressが使うDB名は、WordPressの設定ファイルでも確認できます。実行前にドメインとDB名の対応表を作ります。

DBを戻すと、バックアップ日後の投稿、問い合わせ、注文、会員、コメント、設定変更が失われる可能性があります。動的サイトではメンテナンス表示を行い、復元前のDBを保存し、必要な差分を別途戻す計画が必要です。

MySQL復元でエラーが出た場合

同じ処理を繰り返す前に、選択したDB、バックアップ日、空き容量、履歴を確認します。復元後にDB接続エラーが出る場合は、DB名、DBユーザー、パスワード、WordPress側設定の一致を確認してください。

現在DBを保存していれば、問題が悪化したときに復元前の状態へ戻せます。保存がない場合は、別DBを作って内容を確認するなど、現在の公開DBへ追加の上書きをしない方法を選びます。

バックアップデータを取得して保存する手順

「復元」と「取得」は別の操作です。

「復元」は、エックスサーバーが保持している過去のバックアップを使って、サーバー上の対象データをその時点の状態へ戻す操作です。

一方の「取得」は、すでに自動バックアップされている過去のデータを利用者のサーバー領域へ用意し、PCなどへダウンロードできる状態にする操作です。

「取得」を実行した時点のWebサイトを、新しいバックアップとして保存する機能ではありません。

特定のファイルを確認したい場合や、過去のバックアップデータを手元へ保存したい場合に利用します。

Web・メールの取得手順は次のとおりです。

  1. サーバーパネルの「自動バックアップの取得・復元」を開く
  2. 「自動バックアップデータの取得」を選ぶ
  3. バックアップ日と取得方法を選ぶ
  4. 必要に応じてドメインと領域を指定する
  5. 「実行する」をクリックする
  6. 注意事項を確認して実行する
  7. 「履歴」で取得完了を確認する
  8. ファイルマネージャまたはFTPで「userbackup」からPCなどへダウンロードする

取得にはバックアップデータのサイズに応じたサーバーの空き容量が必要です。空き容量が不足すると、完全なバックアップデータを取得できない場合があるため、実行前に確認してください。

取得したWeb・メールのバックアップデータは、サーバー領域の「/userbackup」に保存されます。取得したデータは24時間経過すると自動的に削除されます。

また、すでにバックアップデータ保存先にデータが存在する場合は、古いデータが削除されます。取得完了を確認したら、必要なデータは早めにPCや別の管理用ストレージへダウンロードしてください。

「/userbackup」は契約中のサーバー領域にある一時的な保存先です。ここへ取得しただけでは、サーバーとは独立した外部バックアップにはなりません。

MySQLのバックアップを取得する

MySQLはWeb・メールとは別に「MySQLバックアップ取得・復元」から操作します。

  1. 「MySQLバックアップ取得・復元」をクリックする
  2. 取得するデータベースとバックアップデータを選ぶ
  3. 「バックアップ取得・復元」をクリックする
  4. 内容を確認して「実行する」をクリックする
  5. 「履歴」で取得完了を確認する
  6. 「履歴」に表示されるバックアップデータの出力先を確認する
  7. ファイルマネージャまたはFTPで出力先へアクセスし、バックアップデータをダウンロードする

MySQLでは、Web・メールのバックアップと同じ「/userbackup」から探すのではなく、「履歴」に表示される出力先を確認してください。

自動バックアップデータの取得申請は一度に1件までです。取得処理中の場合は、完了してから次のデータベースを取得します。

データベースのバックアップにはWordPressの設定やユーザー情報などが含まれることがあります。ダウンロードしたデータは公開領域へ放置せず、安全な場所で管理してください。

特定のファイルだけを戻す方法

画像1枚やテーマファイル1個だけが壊れた場合、Web領域全体を復元すると、問題のないファイルまで過去の状態へ戻してしまう可能性があります。

このような場合は、自動バックアップデータを取得し、必要なファイルだけを戻す方法があります。

  1. 戻したい日付のWebバックアップを取得する
  2. 「userbackup」からバックアップデータをPCへダウンロードする
  3. ダウンロードしたバックアップデータから対象ドメインと必要なファイルを探す
  4. 現在の同名ファイルを別の場所へ退避する
  5. 必要なファイルだけを元の場所へアップロードする
  6. サイトの表示と対象機能を確認する

この方法なら、バックアップ日後に追加した他のファイルを巻き戻さずに済む場合があります。

ただし、プラグインやWordPressの設定など、ファイルとMySQLデータベースが連動しているものは、ファイルだけを戻しても正常に復旧しない場合があります。

差し替え後に問題が起きても元へ戻せるよう、現在のファイルは削除せず、別の場所へ退避してから作業してください。

メールデータを復元するときの注意

メール領域を復元すると、サーバー上のメールボックスが指定日の状態へ戻ります。バックアップ日後に届いたメールは消える可能性があります。

POPで端末へ取り込み、サーバーから削除したメールは、自動バックアップにも残らない場合があります。IMAPでは、復元した結果が端末側へも同期される可能性があります。作業前に保存方式を確認し、重要メールを別のローカルフォルダへ書き出してください。

復元後は、過去メールが見えるかだけでなく、外部アドレスとの送信と受信、転送、自動返信、迷惑メール振り分けも確認します。端末設定とメールアカウント作成の手順は、エックスサーバーのメール設定記事で確認してください。

WordPress復旧ではWebとDBをそろえる

WordPressのWeb領域には、本体、テーマ、プラグイン、画像、設定ファイルがあります。MySQLには投稿、ユーザー、サイト設定などがあります。

Webだけを古い日に戻すと、DBに記録されたテーマやプラグインの状態と合わないことがあります。DBだけを戻すと、投稿から参照する画像がWeb領域に存在しないことがあります。

原則として近い取得日のWebとDBを組み合わせ、復元理由に応じて両方の整合性を確認します。更新失敗なら更新前のファイルとDB、誤削除なら削除対象がどちらにあるかを見ます。

復元後に確認すること

履歴が完了になっても、利用者の操作が正常とは限りません。

確認項目 試す内容
表示 トップ、投稿、固定ページ、404ページ
管理画面 ログイン、投稿保存、メディア追加
ファイル 画像、CSS、JavaScript
SSL HTTPSと証明書警告
フォーム 送信と通知メール
メール 外部との送受信、転送
動的データ 注文、会員、コメント
キャッシュ 古い画面が残っていないか

表示が変わらない場合は、ブラウザ、WordPress、CDNなどのキャッシュを確認します。復元対象、日付、DBが正しいかも見直してください。

不正アクセスが疑われる場合は、復元だけで終えません。管理者とFTP、DB、メールのパスワードを変更し、脆弱性の原因を直し、不審なファイルが残っていないかを確認します。

エックスサーバーのバックアップに関するよくある質問

自動バックアップや復元は有料ですか

2026年7月時点の公式仕様では、全プラン標準で自動バックアップ、データ取得、復元の料金はいずれも0円です。

何日前まで戻せますか

原則は過去14日分です。ただし一部の古いサーバーではWeb・メールが過去7日分のため、サーバーパネルの候補日を確認してください。

メールもバックアップされますか

サーバー側のメール領域は対象です。ただし端末にだけ保存したメールや外部サービスのメールは対象ではありません。

特定のファイルだけ戻せますか

バックアップデータを取得して展開し、必要なファイルだけをFTPで戻せます。全体復元による巻き戻しを避けたい場合に適しています。

復元にはどのくらい時間がかかりますか

復元時間は一定ではありません。データ量、ファイル数、サーバーの状況によって変わります。処理の完了状況は履歴画面で確認してください。

WordPressプラグインのバックアップは不要ですか

不要とは言えません。任意のタイミング、外部保存、サイト単位の復元など、サーバー側自動バックアップを補う役割があります。

解約後もバックアップを取得できますか

契約終了後にバックアップを取得できる前提にはしないでください。解約前にWebサイトのデータ、MySQLデータベース、必要なメールを外部へ保存し、保存したデータを実際に開けるか確認してください。

まとめ

エックスサーバーの自動バックアップは、Web・メールとMySQLを1日1回保存し、通常は過去14日分から無料で取得・復元できます。Web・メールは「自動バックアップの取得・復元」、MySQLは「MySQLバックアップ取得・復元」から操作します。

復元前には、現在データを必ず保存し、戻す日と対象領域を決めてください。実行後は表示だけでなく、WordPress管理画面、フォーム、SSL、メール、動的データを確認します。サーバー側の自動バックアップと、変更前の手動保存、外部保管を組み合わせることが安全な運用につながります。

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監修者・筆者

STARRY代表。Web制作・サイト運用歴19年以上。WordPressサイトの制作、レンタルサーバー設定、サイト移行、バックアップ、復元対応まで幅広く実務を経験しています。 SRVBESTでは、Web制作者の視点から、レンタルサーバー各社の料金、WordPressの始めやすさ、移行のしやすさ、サポート体制などを比較し、初心者にも分かりやすく解説しています。

監修者・筆者のプロフィール詳細を見る>>

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